かなりおひさしぶりになりました、switchと申します。
なかなか時間とやる気が合致せず、だいぶご無沙汰になってしまいました。
さて、今回のテーマは「カプレカ数」についてです。
聞いたことがない人のために簡単に説明しますと、

3桁の数132があったとします。
この時、1と3と2を使って作れる、最大の数から最小の数を引きます。
 321
– 123
_______
198
同じように、出てきた数1,9,8を使って作れる、最大の数から最小の数を引きます。
 981
– 189
______
792
.
.
.
と言う操作(カプレカ操作と呼びます)を繰り返していくと、
792,693,594
この5と9と4を使った3桁の数に辿り着きます。
最大から最小を引いてみましょう。
 954
– 459
_____
495
そう、この数は何回カプレカ操作を行っても、数が変化しないのです!
このような数の組み合わせの、最大から最小を引いた数をカプレカ数と呼びます。(この場合は495)

同じようにして4桁のカプレカ数を探してみると…
 7641
– 1467
______
6174
6174がそれであることがわかります。

それでは5桁の数はないのでしょうか?
3桁のカプレカ数のそれぞれ位の数字を足すと、
4+5+9=18
4桁の時は、
6+1+7+4=18

となっているので、規則性がありそうです。
5桁のカプレカ数がなんなのか気になりますね!
さあ、調べていきましょう。

5桁のカプレカ数

調べるとは言っても、5桁の数はだいたい9万個。
手計算ではかなり無理があります。
しかし、なんとかコンピュータに頼らずに工夫して解きたいものです。

そこで、
a=>b=>c=>d=>e—①
として、5桁のカプレカ数の数字の組み合わせでできる最大の数を
10000a + 1000b + 100c + 10d + e
と置いてみましょう。

最小は
a + 10b + 100c + 1000d + 10000e
ですね。

そして最大から最小を引くと…
9999(a-e) + 990(b-d)
これが5桁のカプレカ数になります。

先ほどの6174も、
999(7-1) + 90(6-4)
と表すことができますね。

また,
abcde
-edcba
________
という引き算で、①の不等式からd-bは必ずマイナスになりますから、 c-cの部分は必ず繰り下がって9になることがわかります。
そして9は一桁の中で最大の数ですから、①の不等式より、a=9であることがわかります。

また、9が二つ以上あると、
 99○○○
– ○○○99
____________
の答えに9が二つ入り込めず、

またb=c=dだと、
 9bbb○
– ○bbb9
_________
の答えに9が入り込めないので、a>b>=c>=d>=e,b>d—②
と書き換えることができます。

さらに、

 abcde
– edcba
_________
(e+10-a) + 10(b+9-d) + 100(c) + 1000(b-1-d) + 10000(a-e)
と表すことができます。ちょっと複雑に見えますが、繰り下がりを計算しているだけなので、確かめていただければわかると思います。

最後に、
9〇〇○1
– 1○○○9
________
を満たせる○が存在しないため、1は入らないことがわかります。

さて、整理しましょう。今わかってるのは、
$$8 \geq a> b \geq c \geq d \geq e \geq1,b>d,$$
$$9999(a-e) + 990(b-d)または、$$
$$(e+10-a) + 10(b+9-d) + 100(9) + 1000(b-1-d) + 10000(a-e)でカプレカ数が求まる$$

ということです。
これを元に、abcdeを絞り込んでいきましょう。

絞り込み

まず、
e+10-a + b+9 + 9 + b-1-d  でa+b+c+d+e が求まるので、
a+b+c+d+e = 27です。
さらに、カプレカ数になるには、最低でも一番小さい桁を考えて、e-a+10(繰り下がり)がa,b,c,d,eのどれかにならなければなりません。

$$a=9,8 \geq a> b \geq c \geq d \geq e \geq1,b>d,$$
$$a + b + c + d + e =27$$
これらを満たす数は
98622
96532
97632
97532
97442
94433
96642
96633
96552
96543

とたくさんありますが、
e-a+10(繰り下がり)がa,b,c,d,eのどれかになる数はたった4つ、
96532
97433
97532
96543
これだけです。

残るは計算のみ!
それぞれについて作れる最大数から最小数を引いていくと….
数の種類が計算前と変わらないカプレカ数は、一つもないことがわかります!

私としては大変面白かったのですが、いかがだったでしょうか。
カプレカ数に関しては、論文なども出ているので、興味がある方はそちらも見てみるといいかもしれません。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
それでは!

「なぜ?」から始まる物理教室#8〜五桁のカプレカ数はない?〜” に1件のコメントがあります

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